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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第135号       ’02−04−26★

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     ゆとり教育?

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●ふとTVに目を

 

やると、おや、近ごろ珍しい眺め。 少年が二人、代わる代わる投網を

打っている。 どこかの放水路? と思ったら多摩川下流。 おいおい、

その水は衛生に良くない、おやめなさい、、

 

音量を上げて分かったのは、4月からの新学習指導要領の選択授業だか

総合学習だかでの新工夫。 身近な生物の観察を兼ね、環境問題に関心

を持たせることが狙いだ、と言うが、、

 

そのための話や道具を準備する先生の負担は大変なものだろうし、当日

の天候がどうか、必ず獲物があるかどうか、で所期の成果が挙げられる

ものかどうか? その方法、(DA的に)最適かなあ?

 

それに、生徒が僅か数名。 少子化のせいか、<ゆとり>教育だからか、

それともヤラセか? どう見ても<遊び>としか、、

 

 

小学生の孫が3人、隠居も新指導要領は気になる。 <週5日制>だ?

冗談じゃない! 春、夏、冬の期末休みがあるのに「秋休みもいいね」

なんて、総理、近ごろ無責任発言が多すぎませんか?

 

これじゃ休みだらけ、バカばかり出来てしまう。 小学生時代愛読した

落語全集に載っていた小咄、「学校どうした?」、「暑中休暇だもん」、

「何? <しょっちゅう休暇>じゃねえか!」 そのままです。

 

週休2日制が大企業から始まった(サーモスタット屋)当時、「ウチは

その流行に乗る最後の会社だからな!」と宣言した私です。 1日遊び

呆けりゃ、こっちが6日かけて教え込んだのを忘れてしまうデコ助たち。

毎週2日も休んだら賽の河原の石積みだ、おお、ネバー・ハップン!

 

能力の育成に、継続と反復はゼッタイ必要。 脳が柔らかいうちに学ぶ

ことを<強い>、習うことに<勉め>させなきゃ。 自発的に<勉強>

するとは限らないジャリたちには、だから<義務>教育、、 なのに、

 

授業は少なくなる一方、教科書は薄くなる一方。 文部科学省の役人は

いったい何考えてるんだ? オチコボレを出さないため、バカやナマケ

モノを基準にするなんて、まるで白痴化政策。

 

役人も教師も、自分のコドモ時代を思い出すべきなのだ。 小さな頭脳

の大きな可能性を認めないオトナを、コドモは尊敬しない。 形だけの

権威を軽蔑する私という人間を作ったのも、そんなオトナたちでしたよ。

 

*   *

 

まず就学時が<国民学校>一期生、そして6年後<新制中学>の一期生。

節目ごとに教育制度が変わり、教師たちの混乱をそのまま押しつけられ、

いわば<学校>自体が反面教師でした。 その始まりは

 

芝愛宕山近くの西桜国民学校。 周辺居住者激減で今は廃校にされたが、

当時は場所柄、皇族の車がお通りになるたび沿道に駆り出され、日の丸

の小旗を振らされたり最敬礼させられたり。 加えて

 

「天皇陛下は現つ神。 頭を上げるな、見てはならぬ、目が潰れる、、」

という非科学的なお達し。 かえって見たくなり、覚悟して試したら、、

もちろん潰れっこない。 本気なのかね、オトナは? と疑いましたよ。

 

4年生の夏に集団疎開、「鬼畜米英!」の精神で虱や寝小便や栄養失調

に耐えたのに5年生の夏、音声不明瞭のラジオ放送と共に先生の態度が

一変。 「撃ちてし止まん!」がたちまち「民主主義万歳!」。 詫び

も説明も無い唐突さ、恥知らずな無節操さに、唖然とさせられました。

 

焼け野原の都心に帰る場所は無く、葛飾区は金町なる周辺地域に移った

ために<異質>扱い。 先生にも誤解されて「来なくて良い」と言われ、

それを幸い、上野の博物館に通っては自学自習を決め込んだり。 でも

 

万年優等生でいられたのは、母の助力、姉の激励、父の無条件的信頼、、

つまり、家族の引き立てによって、でした。 学校なんか糞食らえ!

 

 仕事の片手間に色々コーチしてくれた母。 弱虫の私を守って教師や

 イジメっ子に食ってかかった姉。 誰彼無く息子を自慢して回った父。

 彼らの期待や好意を裏切ることになっては、、の頑張り、でした。

 

*   *   *

 

身の上話はともかく言いたいのは、オトナ一般が仕組むことや、それに

伴う彼らの行動は、たとえオトナの必要や自己満足のためではあっても、

コドモのためなんかではない、ということ。 

 

それらから受けるストレスをコドモが克服できるか、プラスに転じるか、

はいわば本人の力と運。 それに必要な助けは家族が提供するほか無い、

と思われます。 それを明確に初めから意識していた、とは

 

言えないが、私は家族に感謝し、自分に課せられた役割を果たしました。

その延長で当然、父の仕事を助けねばの決心で大学受験先選定の MUST

は第一に<夜学>。 当然、国公立は除外。 それがもとで

 

担任教師の怒りを買い、「冒険心の無い奴、、」と職員室で頬を張られ

たり、で文字通り泣かされました。 後年その教師が校長にもなったの

だから、あの学校には<教育>なんか無かった、と私は断言します。 

 

生徒の真剣な希望より、自分の教室から何人有名校へ行ったか、の方が

大切、とは呆れたオトナたちでしたが、じゃ、その先で少しはマシなの

に出会えたか? いいえ、トンデモナイ。

 

*   *   *   *

 

大学での4年間はさらに時間の無駄でした。 経営学輸入時代とあって、

原書を学生に翻訳させては自分の本にして出す情けない連中の肩書きが

<教授>。 なら、と自分用ネタ原書を発掘し、自工場の作業を題材に、

卒論も自助努力で済ませましたが、、

 

オレは本当にあそこを出たのかな? 心許なくなって昨年、卒業証明書

と成績証明書を申請したら、、 アハハ、ちゃんと出ていましたよ、

 

と言うくらい、6・3・3・4計16年間、学校にお世話になった記憶

が無い。 そんな無駄を強いるより、必要な知識や能力を必要に応じて

授ける仕組みを作るよう、オトナたちは努力すべきではないのか?

 

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●しかし<仕組み>は結局

 

自分で作るべきもののようで、私は自分に刻苦勉励を強いる人間になり

ました。 フルタイムの手下として父に仕えたのは僅か3年、脳溢血で

急に別れることになった時は暗然としましたが、幸い<守成>を果たし、

 

その延長で<サーモスタット屋>を事実上<創業>し、それが自他共に

許す<会心作>だったので、ハタラキ虫の私としては本懐を遂げた感じ。

どうやら私の<仕組み>は有効でした、、

 

が、仕事は一人じゃ出来ない。 経営面では(何度か書いた)相棒N氏、

工場の中では工作の主力W君、彼らの協力が無かったら、、 が私の運。

 

エジソンの陰に(名は知らぬが)腕利きの職工がいたと言うように、私

にはW君。 彼なしでは私の着想も形にならず、試せず、モノにならず、

サーモ屋の成功も無かった、、 だろう。

 

 

彼は旋盤工として中卒中途入社。 やがてフライス盤、研削盤など工作

機械全般をこなすようになったが、本領発揮は自動旋盤、プレスなどの

量産加工。 それらの金型や工具を作るために、

 

放電加工機から空圧・油圧機器まで次々何でも。 大卒の機械屋が引く

図面のバグを修正しつつ<動く>ものに作り上げる万能のテクニシアン、

我が社の無形文化財、私の秘密兵器、、でしたが、実はその彼、

 

中1の途中でポリオに罹患。 中2は闘病とリハビリで過ごし、従って

中3の授業はチンプンカンプン、即ち事実上、<小学校卒>の学力のみ。

幸い本人の向学心は旺盛、私は教え魔。 あらゆる機会と機械を授け、

 

彼はそれらを完璧に活かし、その結果、金属プレス用、樹脂モールド用

金型、組立作業用治工具、スイッチ部品から組立機械まで、何でも設計

製作が可能になって内製率95%。 その強みで他社を圧倒しました。

 

彼は我がY(県)工場の責任者にもなり、周辺にノウ・ハウを提供して

県知事賞も受けたり、今はアジア諸国へ出向いて現場指導もしている、、

 

これが学習指導要領から生じた成果でなく、<ゆとり>にも無縁である

ことは明らかでしょう? まず本人の意思、努力、次にそのための環境、

適切な条件付け、、 いわば需要と供給の一致、、

 

*   *

 

先夜のTV番組で、何かにつけてイライラが止まない少年の話。 掘り

下げて分かったのは、背泳が不得意なため、スクールで年少者に越され

そうだという彼の事情でした。 そこで招かれたコーチがかの鈴木大地。

 

しかしこの名選手、泳ぎ方は全く教えない。 少年を泳がせ、その脇を

歩きながら「いいぞ、うまいじゃないか、、」。 誉めまくって、一挙

25メートル、少年の記録を伸ばしてしまったからオドロキ。 そして

 

「よくやったね」とねぎらい、最後に一言、「習わせてくれている家族

に感謝の念を、、」とアドバイス。 水泳なんか習わされて、、だった

かも知れない少年にズバリ、おお、さすが!  こうして

 

潜在力を引き出された少年、次の進級試験では見事合格。 Educate の

語源通りの成果でした。 <引き出す>には、誉めて励ますことが必要。

アタリマエだが、普通、親も教師もそうしない。 <教育>じゃない、、

 

たとえば塾やオケイコ、四つも五つも子に強いる親は、誉める暇も無い

だろう。 詰め込むだけじゃ「嫌いになれ!」も同然、とは気付かない。

目を付けるのは偏差値か絶対値という数字で、子供本人を見てはいない。

 

その結果、道徳やマナーや言葉遣い、<人間>の品格に関わる基本的な

躾を怠ってしまう。 会社人間や専業主婦がいるなら、<親>人間とか

専業<母>もあって良かろうに、、 いったい誰が<引き出す>んだ?

 

*   *   *

 

親ですらそれ、<稼ぎの場>での他人上司にそれ以上は期待できません。

現に某<教育産業>の主は<恐怖政治型>。 講師も務めるが、よく雷

を落とし、受講者に険悪な雰囲気を強いる癖がある。 とにかく威張る。

 

<お客様>をイジメるこの人が、自社で部下を<誉める、励ます>など

するわけ無い。 物質的には恵まれながら愛情に飢えた生育歴、脆弱な

本質を隠したくての反動形成。 実は教育に不適の屈折人格、、

 

いや、教師や役人にも、そういうマイナス傾向を秘めた人は少なくない。

かの<日教組的悪平等>もその反映でしょう。 結果の平等なんてこと、

Rational に考えればあり得ません。

 

引き比べて私のW君育成は常に目的明確、方法は具体的、支援は実践的。

思えば Rational でした。 正しく授け、過たず受け取る、、お互いに

自己実現に成功し、、 そう、<ゆとり>を生じました。

 

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<ゆとり>は初めからの目的ではなかったし、まして手段でなどあり得

なかった。 教育を授かってこそ果たせる自己実現ですが、何を、どう

授かるか、は本人の願望次第、努力次第。

 

<ゆとり>を掲げた<教育>は、従ってマヤカシだと私は思うし、我が

子孫をそれによって劣化させるわけには行かない。 親たちの生活時間

でカバーできない分を支援する、とすれば隠居に<ゆとり>は十分ある。

 

<小学生>を引き連れて土曜日は勝手知ったる博物館や美術館。 即席

講義を実行した結果、彼らも大いに楽しんでくれている。 まずは概観

させ、フルイにかけて彼らの願望に固めて行こう、、 これSAだな?

                          ■竹島元一■

 

     ■今週の<私の写真集から>は、 ★朝の散歩★

 

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